小笠原早紀さんの舞台Wellsへ行った1
舞台終わってから演者さんと直接喋れたのが衝撃的すぎたのでそのレポを残す。
まず、私の話を。死ぬほど小笠原早紀さんが好き。奈良県民、当時高校生だったが、ミリオン3rdツアー大阪で初めてのミリオンの舞台に立って涙する早紀さんを見たあの日、野々原茜が好きな気持ちに加えて、単純に小笠原早紀さんが好きな気持ちがわーって生まれて、以来早紀さんの出演作品をかなりチェックするようになった。
早紀さんが出てると聞いたCDはなるべく集めて、早紀さんの出るアニメはとにかく見る。どんな端役でも声を聞くと幸せになれて、見られそうなものはとにかく見た。好きなシーンはアホみたいに繰り返し繰り返し再生して、茜ちゃんの曲は好きすぎて死ぬほど聴いた。
好きになって数年、やっとアイマス以外でさきさんのイベントに行こうと決心した声劇を前に、早紀さんは舌の癌の手術で休養を発表された。声劇は早紀さんの出演見送り。だから、次の機会は絶対に観にいくぞ、逃さないぞ、と決めていた。そして復帰して発表されたのがWellsへの出演だった。まさかの女優業。
Wellsめっちゃよかったです。国と国の戦争とそれをひっくり返すような科学をめぐる人々の戦いの物語。戦いの中でそれぞれがそれぞれに守りたいものを抱えて、闘う理由や正義に向き合うのがすごく面白かった。とにかくアクションがかっこいい。箱もちょうどいい大きさなので、すごく観やすいと思う。29日が千秋楽で、当日券あるみたいなのでみなさんもよければ行ってください。西新宿からすぐだったよ。
https://stage.corich.jp/stage/101425
以下本題、舞台Wellsステージ後レポ
・ステージ終わってから、主演の人とかが普通に隣を通っていくので、声をかけていいかわからず震えながら(いやさっきあんな素敵な演技されてた方…いや…素敵すぎる…怖い…隣にいるなんておかしい)と混乱する
・出口へ続く階段を登ると演者さんがいて、早紀さんはどうやら一番上にいるらしい。
・なけなしの勇気を振り絞って一番好きやなーと思ったカミーリャ(元軍人で革命軍に寝返ったつよつよお姉さん)役の方の元で立ち止まって声をかける。毅然としてカッコいい役だったけど、本人はすごくにこやかで華のある、それでいてどこか人懐こい優しげなお姉さんだった。
「あの…本当にカッコよかったです…っ!」「ありがとう…!ふふ、嬉しい、なんていう名前なの?」
「ゆきのくりす。です…」
「私、か、れ、んっていうんだ。Twitterやってるから、良ければフォローして〜」
「絶対覚えます…!!本当に素敵でした…!ありがとうございます!」
「なんかかわいいwまた来てね」
「(かわいい!?ひぇ)びゃい!!!!(混乱)」
木下かれんさんのTwitter
https://twitter.com/karenren_1103
・いよいよ小笠原早紀さんの段。早紀さんのもとから列が伸びている。
自分のところに来てくれた人をまっすぐ見つめて頷きながら話を聞くちゃきさんが見えてその時点でリアルに足が震えだす。早紀さん、実在したんだ、ひぇ、いる、前の人が話している。そこにいるんだと混乱する。
いよいよ前の人が終わって、早紀さんと目が合う。
「今日は来てくれてありがとう」
早紀さんの声が聞こえた瞬間に、ああ、早紀さんだ、夢にまで見た大好きな人だ、舞台で素敵な役を演じてた人だって涙が溢れてきて、何を言おうとしたかわからなくなって、息を飲み込む。
「泣かないでー!私も泣いちゃう」
泣きながらうまく言葉ができず、浜辺に打ち上げられた魚状態ではくはくと息をした。微笑みながら私の言葉を待ってくれる早紀さん。
「ごめんなさい、は…じめ、っまして…っ」
震えた声で泣きながら言うと、早紀さんがぎゅ、と私の手を両手で包んでくれる。
「うん、はじめまして」
微笑んでくれただけでまた泣けてきて、ボロボロ涙をこぼしていたら、「手が冷たい…寒かった?」と聞いてくれる。多分緊張で指先が冷たくなっていた。ふるふる首を振って泣きながら「あったかかった」などよくわからないことを言ってしまう。早紀さんの手はめちゃくちゃあったかくて優しくて、あと私より少しだけ大きくて柔らかくてひぇってなった。
ボロボロ泣きながら、包まれた手と早紀さんの顔を代わる代わる見ながらまた泣いて、早紀さんはそんな私に優しく声をかけてくれる。
「お名前は?」
「ゆきのくりす。っていいます…」
「ふふ、ゆきちゃん。今日はきっと忙しい時期なのに、来てくれてありがとう」
「私、何を…何を言ったらいいか…言葉でなくてごめんなさ…っ…ぷ、プレゼントも何も持ってきてなくて…」
(必死に言葉を紡いだので、正確にはプレゼントボックスに先に入れてしまってその場では渡すものがないってだけなんだけど)
「いいよ、何も言えなくても。来てくれただけで、嬉しい。」
私の言葉に相槌を打ちながら聞いてくれて、真っ直ぐ見つめられてそんなことを言ってもらうと体温がぎゅいんと上がる感じがした。
「し、鹿…(パニックなので奈良って言葉が出ない)奈良…奈良から…会いに来ました…」
「奈良!?遠いのに…!ありがとうー!席どの辺りだったの?」
「真ん中…2列目の…」
「それじゃあ私が真ん中に立ってるところ、すごく近くで見れたんじゃない?」
「はい…!すごく近くてああって…すごかったです(語彙溶けたオタク)」
「ふふ、そっかぁ…きっと大変だったでしょう、来るの。忙しくなかったの?」
「実は私明日インターンで…」
「そっか…!きっと大変な時期だけど、絶対大丈夫だから!うまくいくよ!」
「ありがとうございます…」
早紀さんが私の手を握る手に力がこもって思わずきつく握り返す。
「がんばってね」
「あの…また…会いにきます…!あとあの…魔法科とか!楽しみにしてます!」
「まだ出番あるかわからないけどね?」
「あっ…そっか、そうですよね…」
パニックになって思わぬことを口走っている私に、ニコニコ答えてくれる早紀さんが優しすぎて涙が本当に止まらなくて、あやすように手をやわやわ握ってもらった。それからすっと一度手が離れて、思わずその手を掴んだ。我に帰って「あのっ」と必死に声を出す。友達に「私もそうだけど推しを前にしたらパニックになるから、言うべきことひとつだけは考えとくんだよ」とアドバイスされて、必死に考えてきたことを思い出す。
「最後にもっかい名前を…ゆきちゃんって呼んでくれませんか?」
すこしきょとんとしてから早紀さんは笑って、私の握った手をまた握り返してくれた。それから大好きな声で私にささやく。
「ゆきちゃん」
「…っ!ありがとうございます!」
結局最後まで涙は止まらなくて、泣きじゃくりながら頭を下げた。どちらともなく離した手に早紀さんの体温が残っている気がして、並んでいる次の人と交代しながら、涙を拭うこともできずに肩を震わしながら階段を登った。それから振り返って早紀さんの姿をみると、また次の人の顔を真っ直ぐに見て微笑んでいた。
いやーーーーーーーーいるな。本当に?今私、話したのか、推しと?本当に?いや…嘘やわ…。ちゃうやん、いやそうやねんけどちゃうねんな…。ちゃうくないんやけど、ちゃきさんやねんけど、ちゃきさんやわ…。あんな優しいのか。本物はめっちゃかわいいな。かわいいのに優しいな。おかしいな…好きやな…好き…大好き…ひぇえ…。
混乱したままソワソワと階段を駆け上がって、邪魔にならないよう入口から少し離れたところでやっと涙をぬぐった。体の持った熱量を消化したくて小走りした。ふわっと私の化粧品とは違う匂いがして、早紀さんの匂いだったのかもしれないと思った。また泣いた。